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これから外資系企業に転職しようという人は、日系企業とのさまざまな違いについて知っておく必要があるでしょう。今回は、その中でも休暇の取得事情について比較してみます。休暇に対する考え方は、外資系企業と日系企業でかなり異なりますから、注意しておきましょう。
外資系企業の休暇に対する考え方とは、どのようなものでしょうか。
外資系企業では、有給休暇をきちんと取るのが当たり前になっています。特にヨーロッパ系企業では有給休暇が1ヵ月近くあり、その間にがっつりとバカンスを楽しむ風潮があるのです。このように長期休暇を取ることが普通である外資系企業では、有給日数はフルで消化することができます。
会社側も有給休暇の取得を推奨していることが多いため、休みを取ることに難色を示されるようなこともありません。逆に、有給休暇を取得できないことは仕事の効率が悪いためと見なされ、評価を下げる原因にもなるのです。こうした理由から、プライベートの時間をしっかり取りたいという人には、外資系企業の社風は向いているかもしれません。
一方で、日系企業で取られるお盆や年末年始の一斉休暇という概念がないのが外資系企業です。お盆は日本独自の習慣ですし、年末年始に長期間休むといったことも外資系企業には存在しないのです。
ただし、夏季休暇に関しては7~9月の間にローテーションで長期休暇を取るといったパターンが多くなっています。そして年末には特に休みがなく、年始も早々に稼働しているのが外資系企業ですが、クリスマス周辺には休暇を取るケースが多くあります。
一方、日系企業の休暇事情について見ていきます。
日系企業では、バカンスなどの理由で有給休暇を取るのが難しい環境にあるというところがほとんどでしょう。日系企業に勤める人にとっては、上司や同僚に気を使ったり仕事の進捗を気にしたりといった理由で、思ったように有給休暇を取れないことが多く、有給休暇を取るのに罪悪感を覚えてしまうという人も少なくありません。協調性を重視する日本では、周囲が休暇を取っていないと自分も取りづらい雰囲気があるようです。
では、日系企業では有給休暇をどのように利用しているかというと、自分が病気にかかったときなど、やむを得ない理由でもないと、有給休暇を消化できないというのが現状です。また、日本の有給休暇の消化率は世界でワーストクラスであるにも関わらず、日本人は現状の休暇日数で満足しているというデータもあります。
お盆や年末年始の長期休暇という概念は、外資系企業にはない日本独自の部分でしょう。お盆に亡くなった人の霊を迎えるというのは日本古来の風習ですし、年末年始も新しい年を迎えるための準備から始まり、家族で新年を迎えるというのは日本ならではのもの。これらの期間は企業が一斉に休暇を取るため、それぞれ1週間~10日程度の休みが取れるのが日系企業の特徴です。
このように、外資系企業と日系企業では休暇の取得事情に大きな違いがあります。外国の風習を色濃く残す外資系企業には、日本古来の風習などに基づいた概念が存在しません。そのため、お盆や年末年始はきちんと休みたいという人にとっては、古来の風習にならった日系企業の方が向いているでしょう。転職を考える際は、休暇の取り方についても、どちらのスタイルが自分に合っているかを考えてみてください。