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履歴書はもう過去のもの? デジタル時代の進化する転職事情

著者:トビー・トラスコット(マイケルペイジジャパン リージョナルディレクター)

この10年間で、人材紹介業界では数多くの変化を目にしてきたが、デジタル時代の始まりによるインパクトほどのものはなかった。ソーシャルメディアとオンラインツールは、リクルーターや採用企業側が職種に合った人材を見つける方法を変えてきている。これは、デジタルの世界でベストな自分を見せることが、企業にとっても、プロフェッショナルにとっても何より重要になってきているということだ。

マイケルペイジに入社したとき、オンライン広告は求人の手段として使われ始めたばかりだった。時を2015年まで進めるとLinkedIn、Google AdWords、Facebookなどの利用が進み、情報を待っている人材をキーワードでターゲットに設定している。マイケルペイジのウェブサイトやモバイルアプリの大きな成功も見られる。

2014/15年の雇用者動向調査の結果によると、転職の際に使われるチャネルの順位は、オンラインの求人情報サイトとソーシャルメディアが人材紹介コンサルタントのすぐ次にきている(オンラインの求人情報サイトとソーシャルメディアを好む回答者の割合は、それぞれ29%と28%)。また、LinkedInを仕事探しに使っている人の割合も59%だ。

さあ、これはあなたにとって何を意味するだろうか。

採用企業側 オンラインでの存在感を高めよう

わたしは日常的に仕事で企業の社長(MD)や財務責任者(CFO)、最高情報責任者(CIO)などと話をするが、国内での人材獲得競争についての議論になることが多い。役割に適した人材の確保がますます困難になることから、変化していく市場でトップを維持することがこれまで以上に重要になってきている。

ソーシャルメディアの力により、企業は自社にふさわしい人材候補を見つけて、連絡を取る素晴らしいチャンスを手にした。LinkedInやFacebookなどのサイトは、データベースとして、的を絞って新しい人材が見つけられる場所を提供している。また、プロフェッショナルたちは、馴染みのある会社で働きたいと思っている様子が、相変わらず感じられる。

プロフェッショナルの皆様 オンライン上での自分のプロフィールを管理しよう

転職する人にとってデジタルの時代は、望ましい人材候補として自分を見てもらうチャンスを与えてくれたということです。企業はソーシャルメディアを利用して、どんな見込み候補者がいるかもっとよく知ろうとしている。そしてGoogleで候補者の名前をサーチして上位10項目に出てくるものを調べたり、Twitterのフォロワー数、Facebookの写真、LinkedIn上の推薦の数や品質をチェックしている。オンラインの世界では、第一印象はあっという間に決まってしまう。だから、自分の仕事の指向に合わせてオンライン上の自分のプロフィールを管理するのも自分次第なのだ。色々なソーシャルネットワークに載せている自分の写真を見たり、TwitterやLinkedInの自己紹介欄を最新版にするよう検討してみよう。そして、自分のデジタルの存在感を魅力的、かつ前向きなものにしよう。

自分についてを紹介し、交流することのできるソーシャル・ネットワーキングサイトやオンライン掲示板は過多な状態だ。時間管理と手間の面から見ると、自分のプロフィールを強化して見せたいサイトをいくつか絞るのがいいだろう。リクルーターや採用担当者、そして自分の業界人が使うサイトを検討して、それを優先的にターゲットにするのだ。いくつかのチャネルをもう少し詳しく見てみよう。

–   ブログ

出来の良いブログは、見てもらいたい人から注目を得るための一番の方法です。プロフェッショナルで、デザインの優れたブログが表すのは、こんな人物像だ:

  • 知的でクリエイティブで、テーマに関する内容を明確に書くことができる
  • 自分の実践分野でモチベーションと好奇心にあふれている
  •  ある特定の分野のエキスパートである
  •  自分の仕事に情熱を持っている
  •  同じ考えを持つ人と会話し、関わりあう意欲に満ちている

ただし急いでブログをスタートする前に、まず目標について考えよう。ブログで書くテーマ、そして読んでもらいたい対象者だ。

–  Twitter

ブログ同様、Twitterもネットワーク構築とオンラインで注目してもらうための大きなチャンスを提供する。自分をどんな風に位置づけるかは目標にするものによって変わるし、自分のオンラインプロフィールを管理する上で誰にでも通用する方法などない。しかしオンライン上での強力な存在感と戦略があれば、チャンスを得る助けになる。例えば、企業のTwitterフィード上で仕事を探して、勝算を得ることだってある。

そして忘れてはならないのは、自分がオンラインに載せるものは公に開示される、ということ。企業は候補者の適正を評価するときに、その人がフォローしているものやTwitter上のネットワークを調べている。

–   LinkedIn

デジタルの時代、LinkedInは必須のアイテムだ。完全な職歴を簡潔に紹介する、わかりやすいプロフィールを設定するよう心がけよう。関連する賞や研修はどれも必ず書いて、自分の職業にふさわしい写真を選択すること。ビーチでカクテルをすすっているようなのではなく、スマートな顔写真にしよう。一番肝心なのは、記載の内容に嘘がないこと。こういう場で公に開示された情報は、裏付けを取られるのも簡単だ。

プロフィールを記入する時は、サーチエンジンの検索結果でより上位に食い込めるように自分のキャリアを通して頻繁に名乗ってきた肩書を繰り返し入れるようにすると良い。また、オンラインネットワーキングも大事だが、従来の顔をつき合わせた交流に取って代わるものではないということを忘れてはならない。ネットワーキングが相互にメリットをもたらす関係である以上、相手に何をもたらすことができるかも考えなければならない。

さて、履歴書はもう過去のものなのだろうか? そんなことはない。履歴書は採用企業にも転職者にも同様に役立つ書類であることに変わりはない。だがその内容にはブレがあってはならない。ここに、印象的な履歴書を書くためのコツを載せておこう。

  • 気持ちを動かす: 履歴書は、自分のスキルと能力を採用見込みの企業に「売る」ための、パーソナルなマーケティング資料だ。
  • 注目を浴びる: 調査によると、担当者は履歴書を20秒以内でさっと見てしまうという。インパクトを与え簡潔なものにすること。
  • 目的にふさわしいものにする: 職種にふさわしい履歴書とカバーレター、もしくはEメールを書くこと。
  • 内容が関連していること: 採用企業が求めているスキル、経験、特性に自分がいかにふさわしいかを明確に表現すること。
  • 目玉を強調する: 求められている仕事に関連する一番の強みを強調すること。
  • 内容を整理する 仕事に関係のない内容や古くなった内容は削除すること。
  • 結果を見せる: 成し遂げた仕事を強調すること。
  • 説得力をもたせる: 書面に、熱意と前向きさとプロフェッショナルな雰囲気を出すこと。
  • プレゼンテーション: 書式の整った、スペルに間違いのないものにすること。一貫した書き方を保つこと。
  • 最新版に保つ: 学歴・職歴は時系列に最新のものから書くこと。
  • 読みやすいこと: 職歴は文章よりも「箇条書き」が良い。

デジタルの時代は、プロフェッショナルがひしめく中で注目を浴びる新たな方法を様々に提供している。しかし今忘れてはならないのは、採用はいまだ従来の方法で行われているのがほとんどだということ。ネットワークは今なお必要で、オンラインのフォーラムだけではだめなのだ。履歴書を決して軽んじてはならない。活躍の場は今でも健在だからだ。

(マイケルペイジ・アジア・ブログより)